紅い彼と蒼い私(27)
手を伸ばせば届くのに彼の手をつかむことが叶わない.
最近いつも見るあの夢だ.
連れていかれている最中にも目をつむれば見るなんて重症なのかもしれない.
そう思っていた矢先,運送途中の馬車から悲鳴が起きると同時に腹部に痛みを感じた.
瞼をそっと開けると枕がしっとり濡れている.
異変に気付いた.
手を伸ばせば届くのに彼の手をつかむことが叶わない.
最近いつも見るあの夢だ.
連れていかれている最中にも目をつむれば見るなんて重症なのかもしれない.
そう思っていた矢先,運送途中の馬車から悲鳴が起きると同時に腹部に痛みを感じた.
瞼をそっと開けると枕がしっとり濡れている.
異変に気付いた.