大和に泊まろう

見ると恥ずかしい気持ちになると思います。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

紅い彼と蒼い私(34)

ふわふわと浮いたような感覚とともに,腹部にものすごい痛みを感じた. この痛みは先ほど刺されたときとは違う新たな痛みだ. なぜこのような痛みを感じているのか見当もつかない. 周りは時が遡ったような動きをしている. いったいどこまで戻るのか,どの…

紅い彼と蒼い私(33)

地下牢へ向かおうとするとなぜかそこに宰相がいた. 何をしているのかそっと後ろに近づくと爆破魔法を仕掛けている様子だった. 私は不思議に思い,声をかけた. 私が玉座にいると思っていた宰相は驚いた顔でこちらを凝視してきた. 宰相はその場を後にし玉…

紅い彼と蒼い私(32)

初老の男への殺意はほとんど消えていた. 元に戻るためにどうすればよいのかを考えていたからだ. 俺は魔人の記憶,および自分の記憶をしらみつぶしに調べた. その時,面白い魔法に関する記憶を見つけた. 時間に関する魔法だ. 試しに俺はその魔法を使用し…

紅い彼と蒼い私(31)

素振りを行った後,何が起こっているかはわからなかったがとりあえず城へ向かうことにした. 道中,商人からリンゴをもらい門へたどり着いた. 兵士に連れられ玉座の間に向かおうとしたが一つの疑問を覚えた. つかまっている魔人は今どうなっているのか. …

紅い彼と蒼い私(30)

初老の男は静かに口を開いた. 「まだ例の能力は発言していないようだな.」 彼の言っていることは理解できなかった. 能力とは何のことか.気になって仕方なかったが続けざまに彼は話した. 「お前は魔人に乗っ取られている状態だ.身体のどこかしら変化し…

紅い彼と蒼い私(29)

私はおなかに手を当てた. 腹部に痛みはない. 感じたあの痛み,あれは確かに現実であったはずだ. 私は馬車に乗って移送されていたはずなのになぜ枕が濡れているのか. 日付を確認すると,今朝になっている. どうやら,今朝に戻ってしまったらしい. 理由…

【悩み】私生活とかいろいろ...

皆さん,お久しぶりです.手越です. 今日は少し暗めの内容になってしまうかもしれません. 私の悩みに関して書き記していきたいと思います. ・ゲームができなくなった. 最近,ゲームを楽しいと思えなくなっています.昔はゲームを一日中やっても全然苦で…

紅い彼と蒼い私(28)

宰相はなぜこいつが生きているといわんばかりの顔をしていた. 気が付くと俺は本能のままに宰相を手にかけていた. 王は玉座から一歩も動じない.また初老の男も不敵な笑みを浮かべているだけである. 記憶を見た限り宰相は魔人を殺そうとしていたようだ. …

紅い彼と蒼い私(27)

手を伸ばせば届くのに彼の手をつかむことが叶わない. 最近いつも見るあの夢だ. 連れていかれている最中にも目をつむれば見るなんて重症なのかもしれない. そう思っていた矢先,運送途中の馬車から悲鳴が起きると同時に腹部に痛みを感じた. 瞼をそっと開…

紅い彼と蒼い私(26)

男の匂いを追うと城に戻ってきてしまった. 屋上に移り内部の様子をうかがっていた. 中では女騎士が連れ去られていく様子があった. 玉座近くには眼鏡をかけた宰相と王様,俺を刺した初老の男がいた. 男から色々聞き出そうと玉座に突撃した. 宰相は大変驚…

紅い彼と蒼い私(25)

私は島へ搬送されている間,この国の異変を考えていた. 魔物が出没するようになってから都合よく魔人が現れるだろうか. そして地下牢に閉じ込めていた魔人の調査を依頼し,直後に脱獄される. さらに翼が生えた魔人と思わしき人型の正体. 考えれば考える…

紅い彼と蒼い私(24)

死んでしまうのか,意識がもうろうとする中,頭の中に聞き覚えのある声が響く. 俺は気が付くと胸を貫いた剣を抜き,体に対して治癒魔法をかけていた. 昔,学校で治癒魔法に関する勉強はしたが,この術式は現在使われているものよりはるかに高性能なもので…

いよいよ何なのこのブログ

こちらからは以上です。

紅い彼と蒼い私(23)

王のもとへ戻ると目つきの悪い宰相が激怒していた. 魔人を逃がしてしまったことに関してである. 王様に宰相は耳打ちをして,王様は次のように述べた. 「そなたを南西の牢獄島に投獄する.」 私の叫びは受け入れられなかった. 兵士にとらえられながら玉座…

紅い彼と蒼い私(22)

声をかけてきたのは初老の男だ.その顔には見覚えがあった. 僕に牢屋のカギを渡してきた人である. なぜここがわかったのか不思議で仕方なかったが彼はそっと口を開いた. 「魔人と契りを交わしたのか.」 次の瞬間,僕の胸にひやりとした感覚が襲った. 状…

紅い彼と蒼い私(21)

飛び去った彼を追いかけた. しかし人が走って追いつけるほどのスピードではなかった. 私は王様のもとへ向かうことにした. 城へ戻る道中,何もかも吸い込みそうなほどの黒い羽根を私は見つけた. 何かの手掛かりになるかもしれないと考え私はその羽根を持…

紅い彼と蒼い私(20)

ようやく体が落ち着いてきた. 外に飛び出てから半刻ほどたった. 住んでいた家からは大分離れた場所と考えていたがどうやら見知らぬ土地のようだ. 心に語り掛けてみた. やはり魔人の声は聞こえない. この先どうなるのかを考えてみたが何も思いつかない.…